幼少期の親との関係がモラハラに影響する理由と癒しの方法 ~過去を癒し今を生きる~



モラハラに悩む多くの女性は、幼少期の親との関係に共通した心の傷を抱えています。
その傷を癒すことこそが、モラハラの苦しみから抜け出し、自分を取り戻す第一歩です。


インナーチャイルドが傷ついている様子を表すイラスト

「夫に気を遣ってばかりで、思っていることを堂々と伝えられない…」
「意見が食い違うと、私が悪いに違いないと思ってしまう…」

そんな自分に、心のどこかでうんざりしながらも、どうしてもやめられない。
夫が不機嫌になると、空気が一瞬で重くなる。
その瞬間、体がこわばり、息を潜めてしまう。
本当は怖いのに、「機嫌を損ねたらもっと大変なことになる」と感じてしまう。

気がつけば、私はいつも自分を責めていました。
「私の言い方が悪かった」
「私がもっと我慢すればよかった」
そうやって自分を責め続けるうちに、心の奥の小さな自尊心まで削れていきました。

けれども、ある時気づいたのです。
この“生きづらさ”の根っこは、今の夫婦関係だけではない。
もっとずっと昔、幼少期の親との関係の中でできた“心の傷”にあるのだと。

モラハラの悩みは幼少期の親との関係と深くつながっている

夫に言われたたった一言が、心に突き刺さる。
「どうせお前は何も分かっていない」
その瞬間、胸の奥が冷たくなり、何も言い返せなくなる。
あの感覚は、子どもの頃に感じたものとよく似ていました。

父が不機嫌になると、家の中の空気は一気に凍りつきました。
重い沈黙が続き、何をしても機嫌を直してくれない。
母はそのストレスを私にぶつけ、怒鳴り声が響くたびに、体が固まりました。
言い分を聞いてもらえたことは一度もなく、「言い返すこと」は“悪い子のすること”と教え込まれました。

そうして育った私は、“相手の機嫌を損ねないようにする”ことでしか平和を保てない人間になっていました。
その癖は、大人になってからも消えず、夫との関係でも同じパターンを繰り返していたのです。

子どもの頃の心の傷が大人の人間関係に影響するメカニズム

心理学では、「インナーチャイルド(内なる子ども)」という概念があります。
それは、子どもの頃の傷ついた心が、大人になっても無意識の中で生き続けているという考え方です。

たとえば、あなたの中にいる小さな“子どもの自分”は、こう囁いているかもしれません。

「怒らせたら愛してもらえない」
「私さえ我慢したら全部うまくいく」
「泣いたら嫌われる」

そしてその声が、大人になった今もあなたを動かしている。
夫の機嫌が悪くなると、無意識のうちに体が緊張する。
それは、子どもの頃の“防衛反応”が今も続いているからです。

つまり、モラハラの関係とは、「幼少期の心の傷が再現されている舞台」でもあるのです。

☆モラハラを受けやすい人に共通する「親子関係の影」☆

モラハラを受けやすい人は、決して弱いわけではありません。
むしろ、ものすごく優しく、感受性が高く、他人の気持ちを汲み取ることができる人です。
ただその優しさが、「自己犠牲」という形で現れてしまうのです。

相手の顔色を読んでしまう

自分の気持ちを後回しにしてしまう

「私さえ我慢すれば」と思ってしまう

これらは、子どもの頃に生き延びるために必要だった“生き方”でした。
でも大人になった今、それは自分を傷つける習慣に変わっています。

あなたが悪いのではありません。
かつての「生きるための戦略」が、今のあなたを苦しめているだけなのです。

幼少期の心の傷を癒すと訪れる3つの変化

過去の心の傷を見つめ、癒し始めると、静かに、けれど確実に変化が訪れます。

  1. 自分を責めなくなる
  2. 相手との境界線を引けるようになる
  3. 自己肯定感が戻ってくる

これは、冷たい雨の中で震えていた小さな子に、あたたかい毛布をそっとかけてあげるような感覚です。
あなたの中の“小さなあなた”が安心し、少しずつ顔を出し始めるのです。

☆今日からできる!幼少期の傷を癒すセルフケアステップ☆

癒しの第一歩は、誰にでもできる、シンプルで優しい方法です。

  1. 静かな場所で、目を閉じてみましょう。
  2. 幼い頃の自分を心に思い浮かべてください。
  3. その子をあなたの腕の中で、ぎゅっと抱きしめてあげてください。
  4. そして、こう言ってあげましょう。
     「よく頑張ったね。」
     「あなたは大切な存在だよ。」

最初は涙が出るかもしれません。
でも、それは癒しが始まったサインです。

インナーチャイルドが癒されて心穏やかな心になった様子を表すイラスト

私の使命

私は、機能不全の家庭に育ち、大人になってからもモラハラに苦しみ、自分を責め続けてきました。
でも、そんな自分の人生を振り返って思うのです。

「どうか、あなたには同じような時間を過ごしてほしくない」と。

人生は限りあるもの。
誰かの機嫌を恐れて、自分の心をすり減らすための時間ではありません。
私は、モラハラから抜け出したサバイバーとして、今苦しんでいる女性に全力で寄り添いたい。
そして、そこから抜け出すお手伝いをすることが、私に与えられた使命です。